俺の真っ赤なルビーは今日、純白に包まれ俺のもとへと嫁いで来る。
ずっと夢見ていた、この瞬間。
ずっと探していた、この幸せ。
I will close to hapiness with you.
「それでは、結婚指輪の交換です」
日本人の神父が、しゃがれた声で宣言する。
真っ白なドレスを身にまとった清良は、いつもの大胆な動きとは打って変わって、しずしずと俺のほうを向いた。
何だか照れくさくて、俺は招待客の方を見渡す。
R☆Sの仲間や、大学時代の友人、そして親父。かけがえの無い、大事な人達が今日の俺達のために祝福してくれている。
そう思うだけで、胸がいっぱいで、つい泣きそうになった。
結婚保証人からお互いの指輪を受け取って、まずは俺が清良の細い指にリングを通す。
沢山のフラッシュが瞬いた。
写真をとってくれている人達にお礼の意味を込めて、ゆっくりと輪を沈める。
清良から手を離すとき、俺はとっさに清良の腕を引っ張り、距離を縮めた。
今まで思っていたより、俺はヘタレだったらしい。
プロポーズの時からずっと言おうと思って言えずにいた一言。
どうしても言いたかった一言。
「絶対幸せにするから」
清良の耳元で呟く。
驚いたような顔をした清良はふといたずらっぽい笑みを浮かべた。
てっきり泣くかと思っていた俺は、違和感を覚える。
清良の唇が動く。
「遠慮しとく」
―――え
面食らった俺を、清良はあははと笑った。
小指で拭った涙は笑いによるものか、それとも俺の期待通りのものなのか。
笑いが収まった清良の瞳は、真正面から俺を捕らえた。
「龍。……一緒に、幸せになろう?」
そう言って微笑んだ清良は、とても頼もしく見えて。
敵わない。
俺は苦笑した。
苦笑して、もう一度清良を見て。
やべぇ、泣きそう。
ずっと夢見ていた、この瞬間。
ずっと探していた、この幸せ。
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チアノダ以外のSS初めて書きました!沈没しそうです…。
従姉妹の結婚式の最中、ずっと考えていました。
いえ、でもまだ本命は温存しております。結婚式なんて萌えシチュ、書くしかないでしょ(ぇ!
という訳で、チアノダVer.は
早ければ明日アップ(無理かも…無理でした(最悪)。近日中には…!
何故今回に限って一人称なのか、それはちゃんと理由があるのです。