響想曲



カテゴリ:のだめSS( 13 )


初未来系SS。

隣で寝転ぶ千秋に抱き寄せられ、キスをされる。
そのまま、のだめは手探りで枕元のライトをつけた。



セカンドキス



口が離れると、のだめはぷはっと息を吸った。この類のキスは、未だに慣れない。
キス後の千秋の、頭をわしゃわしゃと撫でる手が好きで、のだめはねだるように抱きついた。思ったとおり、のだめの頭を撫でた彼の手は優しくて、ついうとうとしてしまいそうになる。


しかし、急に千秋の手が止まり、いぶかしんだのだめは彼を見上げた。
千秋は、何か考え込んでいた。ひとつの事に集中すると、他の行動がおざなりになってしまうのは彼の癖だった。

「どしたんデスか?先輩」

言われて、自分が考え込んでた事に気づいたらしく、千秋は少し驚いた素振りを見せた。
しかし、「ああ…」という返事もまた上の空で、そのまま自分の考えにふけってしまったのに気付いたのだめは、少し拗ねて、寝返りを打って千秋に背を向ける。


また、いつものようにそのまま指揮の勉強に入ってしまうのだろうと予想しての動きだったが、今回は少し違ったようだ。
千秋はまたのだめを抱き寄せた。

「何なんですか?」

さっきより少しとげを含んだ言い方をしたのだめに、千秋は苦笑しながらのだめの髪をいじる。


「1年前の事、思い出してたんだ」
「…1年前、デスか?」


話の意図がわからず、のだめはきょとんとおうむ返しをした。


「俺が初めての演奏旅行から帰って来た日」


ああ、とのだめは記憶の糸をたどり始めた。
確か、学校が始まって何もかも上手くいかなくて…。
そんなときに千秋が帰ってきたものだから、のだめの千秋に対する態度も最悪だった気がする。


「…なあ、俺達が最初にキスしたのって、いつか覚えてるか?」

平静を装いつつも、少し照れて言う千秋が妙にかわいらしい。
のだめは、1年前はこんな彼を知らなかっただろうと思った。

「えーっと…、半年前デスかね。急に何なんですか?先輩」


さっきから千秋の言いたい事が掴めないのだめは、さらに困惑した顔をした。
しかし千秋はその答えに「やっぱり覚えてないか」と返したところを見ると、何かを忘れているのだろうか、とのだめは考える。

「はずれ」

少し間が空けて、その「はずれ」がさっきの答えに対する返答だと理解したのだめは、学校のテストの目にしたような顔になった。
つまり、全くわからない。

のだめは尋ねようとしたが、千秋の唇に阻止された。
そのまま長い、長いキスを繰り返す。


しばらくすると、のだめが千秋の背中をぽかすか叩き始めた。
息継ぎの出来ない、彼女の限界。

「せ、先輩…のだめを殺す気デスか!?」
「お前が下手なのが悪いんだろ」

荒い息をしながら抗議するのだめを、千秋は軽く受け流した。

「練習させてやる」

そういった千秋はまた、優しくのだめの口をふさいだ。


1年前の、リベンジ。


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何なんだコレー(自己嫌悪)!?
甘いのを書こうと思って…思って…思って…。
シチュエーションは…お察しの通りです(ニコ!)。

最後の一言が書きたいがために作った妄想話。初未来系。
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by touch_me_not | 2004-12-14 02:51 | のだめSS

のだめSS。長野音楽祭(ぇ)。

ひとつの旋律が5線上を舞ってゆく。先へ、先へとメロディーを奏でてゆく。
もうひとつの旋律が5線上で、先に進む旋律を追い掛ける。
追いかけ続けるのは、もし止めてしまったら二度と追いつけなくなってしまいそうだからで。




カノン2




ずっと前から先輩を追いかけて。
家でも学校でも音楽でも、いつも追いかけていた。
近づくたびに離れていく。先輩はいつも、前へ前へと進んでいってしまう努力家だから。
だから追いかけ続けるのだ。いくら追いかけても追いつけないような不安を精一杯隠しながら。
きっと、この追いかけっこはまだまだ続くだろうから。




「だったらさっさと帰れ!」
返ってきた言葉は想像していたものとは全く違った冷たいもので。
今までどれだけ自分が甘えた生き方をしていたかを強く思い知らされた。
それは他でもない千秋に言われた事が何よりも辛くて、そして痛かった。
のだめが呆然としてい隙に千秋は立ち上がった。
「あ…」
待ってくだサイ、そう言ったつもりだったのに言葉にならなかった。
千秋の後姿が妙に遠く見える。この人はいつからこんなに遠くに行ってしまったのだろう。
その姿はさらに小さくなって、そして消えた。


昔から譜読みが苦手で、今日も千秋先輩と旅行などと軽い気持ちでこの音楽祭に来ていた。
だから練習などしてきている訳もなく、ピアノの指導の先生に初日から大目玉を食らった。
Get Out!なんて言われたと来れば、もう戻ることもできないし、戻る気もなかった。それは今でも同じ。
甘ったれている、なんてそんな事は言われなくても分かっている。
でも、自己防衛手段なんだから仕方ないでしょ?自分が駄目な人間だ、なんて昔からわかってる事だ。


どのくらいここにいたのだろうか。頭痛がしてきた。
いくら夏とはいえ、長野の山奥はさすがに肌寒い。
しかし、のだめはその場を動こうとせず、焦点の合わない視線は宙を舞う。
ただ、今は千秋に言われた言葉だけが何度も頭の中でリフレインするだけ。
「いやです…。のだめ帰りたくない…」
ここで諦めたら全てが終わる、そんな気さえした。



夜、譜面を持ってのだめはもう一度外に出た。
そして、とても音大生とは思えないスピードながらも譜読みを始めた。
練習室に戻らなくても、音なら響いてくる。直接頭の中に。
鍵盤を叩くと、ウッドテーブルの優しい音色が聞こえてきた。

「フォルテ!新しいエピソードの始まりです」

今はまだ未来なんて見えないけど、とりあえずバルトーク組曲のストーリーなら見通せる。
頑張ろう。今できることだけ。
月明かりの元、頑張ってあの後姿に追いつくために。




ひとつの旋律が5線上を舞ってゆく。先へ、先へとメロディーを奏でてゆく。
もうひとつの旋律が5線上で、先に進む旋律を追い掛ける。
追いかけ続けるのは、もし止めてしまったら二度と追いつけなくなってしまいそうだからで。
そして、微妙な距離を保ったまま2つの旋律は進み続ける。

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すみませんすみませんすみませんすみませ(以下略)。←平謝り。
もうチアノダどころじゃないですよね。何なんですか、これは。
カノンを書いたとき、「のだめバージョンも書きたい!」と思ってて意気込んで書いたのはいいんですけど、おもいっきり暗い話のエピソード(汗)。
長野音楽祭とか懐かしすぎですよね。パリ編にすればよかった…。
しかも、文才無さすぎ…。文章変…。
本当、読んでくださった方々、スミマセン&ありがとうございましたー。
はい、撤収(ぇ
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by touch_me_not | 2004-12-06 03:48 | のだめSS

初のだめSS

ひとつの旋律が5線上を舞ってゆく。先へ、先へとメロディーを奏でてゆく。
もうひとつの旋律が5線上で、先に進む旋律を追い掛ける。
逃げているわけじゃない。後ろについてきているのがわかっているから、安心して先へ進めるのだ。




カノン




いつからか、俺の後ろにはあいつがいて。
家でも学校でも音楽でも、いつも追いかけてきていた。
その言動はまるでストーカーのようなのに、俺はあいつを認めなくてはならない理由があるから拒めない。
あいつのピアノを聞きたいだけ、と自己暗示をかける。まだ今はその理由でなければいけないから。
だから俺は先へ進む。進むのに疲れたときだけ少し振り返って、あいつがついてきているのを確かめればいい。
きっと、この追いかけっこはまだまだ続くだろうから。



「じゃ、元気でな!」
峰が大きく手を振った。日本でいつも世話になったこの裏軒とも、そしてなんだかんだ言いつつ頻繁に付き合っていた峰ともお別れだ。
「お前もな!」
「遊びに来てくだサイねー!」
千秋が顔だけを少し後ろに向けて軽く手を上げたのに対して、のだめは後ろ向きのまま歩いて両腕を大きく振った。
そのまま歩いて峰が見えなくなった頃、のだめが案の定こけそうになったので千秋はのだめの頭をつかんで前へと向かせる。

明日には2人はフランスへ発つ。峰はオーケストラの練習があって行けないと嘆いていたので、最後に食事がてら会いにきたのだった。
「とうとう明日ですねー」
のだめが空を仰ぎながら言う。千秋にとって海外に渡ること自体は幼い頃にしょっちゅうあったので、大した事はないと思っているが、のだめにとっては初めて生まれ育った国を離れるので相当な決心がいったはずだ。
「寂しい?」
それでも結局は音楽(と俺)を選んだのかと思い、気を良くした千秋が微笑みながら尋ねる。
のだめは空を見上げたまま手を頭の後ろで組んで、うーんと考えるふりをしてみせた。
返答は最初から決まっていたというのに。
「寂しくないわけはないですよ?でも、みんな卒業しちゃったから、どうせ今までみたいには会えないし。裏軒のマーボー食べられなくなるのは寂しいけど、先輩の呪文料理食べれなくなったらもっと嫌だし」
そう言って、彼女にしては珍しく照れ笑いを浮かべる。

「それに…」
「それに?」
千秋は、まだ何かを言おうとしているのだめを促す。いつも勢いだけで話すのだめがこんな話し方をするのは、やはり感傷に浸っているからなのか。
「それにですねー、のだめは先輩に会えなくなるほうが寂しいんですよー」
千秋が予想、そして期待していたはずの台詞に苦笑する。自惚れ、とはわかってはいるが。
それにしても、のだめは人が恥ずかしがるような言葉をさらっと口にする。まるで日常会話をしているように。
「はいはい。でもお前、向こうに行ってからは、どこにでもくっついてくるなよ。俺は指揮の経験を積みたいし、お前はピアノを勉強するために行くんだからな」
千秋ははぐらかすように、何かを誤魔化すように、ぶっきらぼうで思いやりのない言葉を吐く。
「ぎゃぼ!先輩、今の愛の告白ちゃんと聞いてました!?」
「何が愛の告白だ。いつも同じようなこと言ってるじゃねーか」
逆上するのだめを千秋は軽く流して、明日からの新生活に思いをはべらせる。

これからものだめは自分のことを追いかけてくるんだろう。こいつが一人前のピアニストになるまで追いかけ続けてくると信じよう。自惚れでもいい。それでのだめがやる気を出してくれるのなら。

そして、今はまだ自分のことを頑張るしかないんだ、と自分自身に言い聞かせた。



ひとつの旋律が5線上を舞ってゆく。先へ、先へとメロディーを奏でてゆく。
もうひとつの旋律が5線上で、先に進む旋律を追い掛ける。
逃げているわけじゃない。後ろについてきているのがわかっているから、安心して先へ進めるのだ。
そして、微妙な距離を保ったまま2つの旋律は進み続ける。


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くはっ(倒)!なんなんですか、これは(聞くな)!
文字ばっかりで読みにくいし、構成変だし。うじうじ。
でも、一番書きたかったことは書けたので(自己)満足です。
何が書きたかったって?もちろん自惚れ千秋です(ニヤリ)。
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by touch_me_not | 2004-12-04 03:59 | のだめSS

宮崎楓(みやざきかえで)による、のだめカンタービレを主に駄文を書き連ねる日記サイト。SSも書きます。コメント大歓迎!
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