響想曲



カテゴリ:のだめSS( 13 )


Kiss前号の続きSS。妄想の産物です。


「先輩?」

「ん…何」

波打ち際から100mほど離れた細い小道。
ざざあ…ざざあ…
波音と少し離れた明かりからの賑わいだけが聞こえてくる。
そんな静かな空間を、二人は歩いていた。



LeaVe A NesT



「…なに?」
声を掛けておいて黙り込んだのだめに、もう一度返事をする。

「さっきね、きらきら星弾いたんデス」
「…?ああ…、あのうるさいガキ達と?」
うるさくないですよ、とのだめはくすくす笑う。

「かわいかったなあ。のだめの演奏聴いて、ピアノが好きになったって言ってた」

和やかな顔で少し俯く。
そのまま沈黙が続くが、千秋は何も言わないままのだめに先を促す。
まだパーティーは続いているのだろうか、会場からまた軽快な音楽が聞こえ始めた。
少し歩いて、のだめは口を開いた。

「拍手もらって…嬉しかったデス。…これから、もっともっと沢山の人に聴いてもらいたい」
その言葉は、のだめの素直な気持ちと、小さな決意に満ちていた。
おちゃらけていない、少しはにかんだような口調が、なによりもそれを証明していた。



「…ふうん」

彼はそう呟いた。


前を歩く千秋は、続きを言う代わりに、少しだけ後ろを振り向き、そしてぶっきらぼうに彼女の手を自分のそれに収めた。
その手を握り返しながら、いつもより積極的なその行動に、のだめは首を傾げる。


「もしかして先輩、ちょっと寂しかった?」
ニヤニヤしながら、のだめは言う。
「…なんで」

「大切に育てたヒナが巣立っちゃいそうで」


そういうと、のだめはプッと噴き出す。
「う、うぬぼれんな!誰がお前なんか…」
「あー、先輩、ちょっと図星ー!?」
のだめは千秋の顔を覗き込もうとしながら、嬉々として騒ぎ立てる。
「うるせー!」

少し赤い顔で振り返った千秋は、立ち止まり、のだめの顔を自分の胸へと押し付ける。

「~~っ!」
黙らせてやるつもりだったが、同時に息も出来なくなってしまったのだめがもがき苦しむと、千秋はその力を緩めた。

やっと少し下を向いて、呼吸が出来るようになったのだめは、ぜえぜえと呼吸を整える。


そしてそのままの体勢で、でも、と言葉を繋いだ。

「のだめ、少しは先輩に近づけましたよね?」
のだめはそのまま千秋の腰へと手を回す。


「調子にのるな」
言葉とは裏腹に、のだめを抱きしめる千秋の腕は



とても、優しかった。



---------------------------------------------
ずっと書いてなかったから、全然書けないです…(吐血
これだけ書くのにすごい時間がかかってるYO!しかもオチなし!
卒業式の最中ずっと考えてました。
設定は、のだめ初リサイタル後、二人でパーティーを抜け出してお散歩。
少しずつリハビリしていこうかと思ってますm(_ _)m
[PR]
by touch_me_not | 2006-03-02 14:17 | のだめSS

市川シヲリさんからのリクエスト。

恒例、食後のリラックスタイム。
二人でソファでゆったりしながら、他愛の無いお喋りをしたり、いちゃついたり、たまに発情したり。



千秋、苦悩の一日



「それでですねー!フランクは、実はプリリンはカズオより悪どいキャラって言うんデス!でものだめは…」
勢い込んで話すのだめの次の言葉は、短い息と共に飲み込まれた。
触れ合う唇と唇が以下略。
「…少しは黙れよ」
「…先輩が黙らせてくれるんでしょ?」
そう言ったのだめは、上目遣いで挑戦的な視線を投げかける。意地の悪い微笑みと共に。
抱きしめて、もう1度キスを交わそうとした、が。
trrrr...
二人の動きが止まる。
鳴っているのは千秋の携帯。鳴り止む気配は見せない。
「先輩、電話」
そう言って、のだめはじと目で千秋に電話を受けるよう促す。
千秋は小さくため息をつき、携帯を手に取った。
終話ボタンを押しかけた手が、ディスプレイに表示された名前を見て、咄嗟に止まる。
苦虫を噛み潰したような顔のまま携帯を耳に当てた。
「……もしもし」
のだめは電話の向こうの相手には興味を示さず、千秋の隣でソファにもたれかかる。
「おかげさまで」
心なしか、声にうんざりした様子が感じ取れる。
目を瞑り、足を組みなおした。
「…いえ、一人ですけど」
そう言って彼はのだめから距離を取る。その態度に不満が重なったのだめは、スネてソファを立ってしまったが、あとで埋め合わせすれば良いかと千秋は自己解決し、話に戻る。
「はあ?」
「一体何なんですか」
「今パリに…?え…」



玄関のベルが鳴る。
携帯での話に集中しすぎていた千秋は、半無意識に顎でのだめを玄関へ出るように促した。
「…って、えっ、ちょっ…待てのだめ…!」
怪訝な顔で振り向いたのだめは既にドアの鍵を開けた後で。
外側からドアが開いた。
「やあ」
そこにいたのは松田幸久、無論本人である。
「松田さん…」
「お邪魔するよ」
状況がうまく理解できていない千秋の脇を通って遠慮なくリビングへあがる。
「初めまして。君は?」
「あ…初めまして。千秋先輩の」
「ただの隣人です」
のだめが頬を膨らませて非難の視線を千秋に浴びせる。
しかし、千秋は今それどころではない。
「今、一人でいるんじゃなかったの?」
「わざわざあなたに本当のことを答える義務はありませんから」
「へえ…。あ、白ワインある?」
松田は我が物顔でソファに座った。
図々しいなんて言葉は、松田のためにあるのだなと千秋は思う。
しかし千秋は要求通り白ワインとワイングラス3個を持ってリビングに戻る。
ひとつはにっこりと意地の悪そうな笑顔を貼り付けた松田に。
ひとつは千秋にことごとくひどくあしらわれて超不機嫌なのだめに。
ひとつはこの展開自体に頭を抱える自分自身に。

のだめは千秋とは反対側に――つまり松田の隣に座った。
基本的に女性に優しい松田は、馴れ馴れしくも礼儀正しい姿勢でのだめとの会話を弾ませている。
もちろん、千秋とも近況報告や音楽について話してはいるものの、千秋の意識はそれどころではなかった。
松田とのだめとの距離がどんどん近づいていってる事とか、たまに触れる手と手とか。
その一つ一つが千秋の神経を逆撫でする。
今になって初めて千秋は、のだめを軽くあしらった事を後悔した。
そんな千秋の気持ちを知ってか知らずか、松田はさらにスキンシップを図ろうとする。
のだめの肩を抱いたり手を握ったり、酔っ払いとしか思えない行動だったが、事実松田は、そしてのだめも酔っ払いだったのであまり不自然に思っていないようだった。
「手、大きいね。もしかしてピアノやってる?」
そう言って松田はのだめの手と自分のそれとを合わせる。
「あ、ハイ。小さい頃からピアノやってマス」
そのまま指を絡ませ、松田は自分よりかは一回り小さい手の甲に唇を落とす。
――限界だ
その瞬間、千秋は立ち上がりのだめの腕をぐいと引っ張り寄せる。
「俺の彼女にベタベタと触らないで下さい」
のだめの顔が驚きと、そしてそれ以上の何かで紅潮する。
松田が片眉を上げる。
「ただの隣人じゃなかったのかい?」
「わざわざあなたに本当のことを答える義務はありませんから」
故意に最初と全く同じ台詞を一字一句違わずにはっきりと丁寧に繰り返す。
「……。千秋くん、性格悪くなったね」
「おかげさまで」


「じゃあまた来るよ。と言っても、休暇利用して遊びに来てるだけだから、あまり長くはいないけどね」
長時間にわたる飲み会も終わり、千秋とのだめは玄関に災いの元を見送りに来ていた。
もう来るな、とあからさまに顔に出した千秋は、それでも口では「ええ、またいつでも来て下さい」などと言っている。
「のだめちゃんにも、今度はピアノ聞かせて欲しいしね」
「ハイ!約束ですよ」
そう言ってのだめは笑うが、松田のその言葉に千秋は何かが腑に落ちずにいた。
――…「のだめちゃん」…?
そこで合点がいった。
ひとつ、溜め息をつく。
「俺、こいつの名前紹介してませんよね?」
疑問というよりは、確信を持って千秋は問いかけるように言う。
「…そうだったっけ?」
松田はポーカーフェイスを崩さず、しかしわざとらしく、すっとぼけた。
「誰から聞いたんです?」
「峰くん」
峰から口止めされていたにもかかわらず、あっさり答えた松田は相変わらず涼しそうな顔をしていた。



Trrrr...
「龍…携帯鳴ってる…!」
「ん…何だよこんな時間に…。お、千秋だ。珍しいなオイ」
一番哀れなのは、松田を信じてしまったお陰で千秋の恨みを買った峰なのかもしれない。

-------------------------------------------------------
以前、菜種さんにリクエストを頂いたとき、類友一号の市川シヲリさんからラブコールを受けてたんで、無責任に承っていたブツです。本当、やっとできました。スンマセ…
リクエストは「松田様」。(だったよね…!?
しかも、もう構成も山場もオチも何もなしに書き連ねた駄文ですから申し訳ないです申し訳ないです申し訳ないです。
も、もう限界です。死…。宿題します。いや、寝ます(ホホエミ
[PR]
by touch_me_not | 2005-05-05 23:31 | のだめSS

リクSS。鏡よ鏡ぃー。

鏡よ鏡、世界で一番美しい者は誰?

そんな風に鏡は、昔からものごとの真実の姿を映すとされてきたと言う。




ミラーラビリンス




彼が目覚めると、そこはまだ漆黒の闇の中で。
しかし隣で安らかに眠っていたはずの彼女が見つからない。
千秋は、部屋の冷たい空気に身を震わせ、ズボンを穿きシャツを羽織って寝室を出た。

煌々とした光が、暗闇に慣れた目に眩しく入ってきた。
ちょきちょきと、軽快な音だけが聞こえてくる。
のだめは、洗面所の鏡の前で、慣れた手つきでその髪を切り落としていた。足元にはゴミ袋を敷いて。
「何してんの?」
一目見ればのだめの行動はわかるだろうが、それでも声を掛けるために千秋はその分かりきった科白を用いた。
のだめが手を休めて振り向く。
「髪が伸びてきたんで。
のだめお金ないんですよー。それに、昔から洋子に髪くらい自分で切れって言われてたし」
のだめは千秋の言葉を理由を尋ねたと解釈して、口を尖らせながらそう言う。
千秋はただ、ふうん、とだけ返した。
のだめがまた手を動かし始める。
意外に器用なその手先は、彼女の髪を少しずつ、されど大胆に減らしてゆく。
「あ」
その手が後ろ側にまわった途端、動きが止まった。
切りすぎてしまったらしい。
千秋がのだめからはさみを取り上げた。
「貸せ。俺が切ってやる」
そう言って、くしで彼女の髪を梳きながら、丁寧に切り始める。
「先輩、何でも器用ですよねー」
感心したようなのだめの声と共に、千秋は鏡越しに彼女の視線を感じた。
ちょきちょきと、軽快な音だけが鳴り響く。

「こんなもんだろ」
「ふおー。やっぱり先輩、上手デスねぇ。ありがとうございました」
のだめがあちこちと向きを変えながら自分の髪をチェックする。
そして一通り確認し終わると、自分の身体に付いた切りくずを払い始めた。
「先輩、背中はたいてくれませんか?」
のだめが背中を反らせて覗き込む。
千秋がのだめの肌を軽くはたくと、細かく切られた髪がぱらぱらと落ちてゆく。
だいたい綺麗になったあと、千秋はのだめを触る手の動きを明らかに別の意図のものに変えた。
つつつ、と下着を指でなぞり、場所に至ると片手でその締め付けから開放させる。
逆の手は、優しくゆっくりと、首筋から肩甲骨に下り、脇の下を通り前へと移動する。
ちょうど後ろから抱きしめられたような形になったのだめは、首筋に降ってきた彼のキスから逃げるように身体を捻った。
「や…」
「ん?」
いつもと違う反応に、千秋はいったん動きを止める。顔を近づけたまま理由を問う。
「鏡の前って、何だか照れマスよ…。見られてるみたいで…」
のだめが鏡の中の自分から視線を逸らす。
「そ?オレは逆にそそるけど」
そう言って、千秋は軽く笑う。
「…先輩のすけべゑ」
「それはどうも」
満足気な表情を浮かべた千秋は、のだめの軽口を承諾と受け取って、彼女の頬に口付ける。
そして、少し膨れた顔をしながら振り向いたのだめの唇に、自分のそれを重ね合わせた。



鏡よ鏡、美しいものを見せておくれ。

ここにもひとつ、真実の愛。

--------------------------------------------
菜種さんに、裏SSいつも楽しく読んでますありがとうリクエスト権(訳がわからない)でリクエストしていただき、書いた一品。リク内容は「鏡」です。
あわわ、どうして健全なのが書けないのかがよくわかりません、よ?
実はこの後に、もっとイケないのがあるんですが、それはリク特権で菜種さんのみぞ知る…(ていうか公開できるシロモノじゃない
ども、リクありがとうございましたvv
[PR]
by touch_me_not | 2005-02-17 22:40 | のだめSS

結婚式SSチアノダVer.期待にそぐわなくてスミマセ…

バタンと教会の扉が開く。
一同の注目が集まる中、慌てて入ってきたのは―――のだめだ。
のだめはきょろきょろと辺りを見回し、目的の人物を見つけて駆けて来る。
そして、一番隅の席に座っていた千秋の隣に滑り込んだ。まるでそこが指定席であるかのように。




いつでも、どこでも




「…遅い」
千秋はのだめを半目でにらみつける。
「えっと、トイレが混んでたんですよ!それにほら、今入ってきた人もいるし!」
「だからって、遅れていい理由にはならないんだよ!」
そう言って千秋は、のだめの頭を小突いた。いや、殴った。


そのとき不意にパイプオルガンの音色が聞こえはじめた。
ゆっくりと扉が開き、その奥からちらりと花嫁の姿が覗いた。


ほわあ清良さん綺麗…、とのだめが感嘆の溜息を漏らす。
純白のドレスを身に纏った清良は一歩一歩、そわそわと落ち着かない新郎、峰のもとへと歩み寄って行った。
「あれ、なんで峰パパがエスコートしてるんでスか?」
のだめが首を傾げる。
「ああ…。確か清良、両親はいないって言ってたからな」
そういった環境も峰に結婚を決心させた理由なんだろうな、と千秋は隣ののだめに聞こえないように付け足した。


清良と峰の父親が歩みを止める。
清良の腕が峰のそれを絡み取ろうとした瞬間、峰が突然振り向いた。
そして、父子でがっしりと握手を交わす。
お互いを見つめあった後、峰と峰の父親はしっかりと抱きあった。

教会内に失笑とどよめきが広がる。
彼ら父子の仲の良さを知るのだめは無論、失笑派だったが、千秋はそれ以前に呆れ果て、頭を抱えて大きな溜息をついた。

峰達の抱擁はいつまで待っても終わりそうになかったため、清良は峰の腕を取り、半ば強制的に祭壇の上まで引っ張っていく。
既に峰は止め処なく涙が溢れ出している状態だった。
「…折角の結婚式なのに…、ムード台無しデスね」
しつこく泣き続ける峰に、のだめは冷ややかな視線を送る。
「こういう奴に限って、自分の中では感動的なストーリーに仕上がってるんだよ…」
千秋の反応も、無論言うまでもなかった。



峰と彼の父親がようやく落ち着いたところで、式は再開された。
そのまま合唱、神父の言葉、と特に何事もなく進行する。
「……」
説教を語る日本人神父を見て、のだめは何か腑に落ちないような顔をする。
「なんだか胡散臭いデスね」
小声でのだめが率直に感想を述べた。横目でちらと千秋を見る。
「…意外。お前もあんなのに憧れてるのかと思った」
結婚式とか、お嫁さんとか。以前はのだめの夢は千秋先輩のお嫁さんデスなどと言っていたのに、と千秋はからかい半分で笑った。
「憧れてない訳じゃないんですけどねー…」
いったん言葉を切って、のだめは顔を千秋の方へ向け、ニッコリ笑う。
「のだめは先輩と一緒にいられるだけで幸せデスから」


それでは誓いのキスを。
神父の声が淡々と告げる。
壇上で、峰と清良が向き合った。
来客の視線が集中する。
のだめも彼らに目を向けた、瞬間。
千秋に頭を掴まれ、ぐいと無理矢理彼の方を向かされた。
何事かとのだめが目をぱちくりさせていると、そのまま千秋は彼女を引き寄せた。

式場から拍手が沸く。
新郎新婦の誓いの口づけに皆の視線が注がれる中、一番隅の席では――
彼と彼女の甘くて熱いキスが交わされたのであった。



なんとも場違いな彼らを、一番最後に来て扉付近で立ったまま参席していた、R☆Sオーケストラ2代目指揮者にだけは見られていた、というのはお約束。

--------------------------
宣言してたのに遅くなってスミマセ…!
大会とか大会とか!部活→疲労→熟睡の悪循環(好循環だろ
んで、チアノダ結婚式は無理だ!と思っていたんで、招待されたほうを。
↓のSSは峰のフィルターかかってました、みたいな。
あ、もち清良の両親ネタはねつ造です。峰パパ出したかったんだもん!
…寝ます。…今日、模試なんですけど(泣
[PR]
by touch_me_not | 2005-01-22 04:15 | のだめSS

初・峰独白SS。峰×清良。例の結婚話です。

俺の真っ赤なルビーは今日、純白に包まれ俺のもとへと嫁いで来る。

ずっと夢見ていた、この瞬間。
ずっと探していた、この幸せ。




I will close to hapiness with you.




「それでは、結婚指輪の交換です」
日本人の神父が、しゃがれた声で宣言する。
真っ白なドレスを身にまとった清良は、いつもの大胆な動きとは打って変わって、しずしずと俺のほうを向いた。
何だか照れくさくて、俺は招待客の方を見渡す。
R☆Sの仲間や、大学時代の友人、そして親父。かけがえの無い、大事な人達が今日の俺達のために祝福してくれている。
そう思うだけで、胸がいっぱいで、つい泣きそうになった。

結婚保証人からお互いの指輪を受け取って、まずは俺が清良の細い指にリングを通す。
沢山のフラッシュが瞬いた。
写真をとってくれている人達にお礼の意味を込めて、ゆっくりと輪を沈める。

清良から手を離すとき、俺はとっさに清良の腕を引っ張り、距離を縮めた。


今まで思っていたより、俺はヘタレだったらしい。
プロポーズの時からずっと言おうと思って言えずにいた一言。
どうしても言いたかった一言。



「絶対幸せにするから」
清良の耳元で呟く。


驚いたような顔をした清良はふといたずらっぽい笑みを浮かべた。
てっきり泣くかと思っていた俺は、違和感を覚える。
清良の唇が動く。

「遠慮しとく」


―――え

面食らった俺を、清良はあははと笑った。
小指で拭った涙は笑いによるものか、それとも俺の期待通りのものなのか。

笑いが収まった清良の瞳は、真正面から俺を捕らえた。

「龍。……一緒に、幸せになろう?」

そう言って微笑んだ清良は、とても頼もしく見えて。



敵わない。

俺は苦笑した。

苦笑して、もう一度清良を見て。

やべぇ、泣きそう。





ずっと夢見ていた、この瞬間。


ずっと探していた、この幸せ。

-------------------------------------
チアノダ以外のSS初めて書きました!沈没しそうです…。
従姉妹の結婚式の最中、ずっと考えていました。
いえ、でもまだ本命は温存しております。結婚式なんて萌えシチュ、書くしかないでしょ(ぇ!
という訳で、チアノダVer.は早ければ明日アップ(無理かも…無理でした(最悪)。近日中には…!
何故今回に限って一人称なのか、それはちゃんと理由があるのです。
[PR]
by touch_me_not | 2005-01-17 03:42 | のだめSS

新年早々エロくてスミマセンなSS

熱い湯煙が立ち上って、うっすらと室内に霧がかかっている。
少し動くたびに、湯船に敷き詰められた白い泡が湯と一緒に揺れ動く。
大きな泡が割れて、ほのかにラベンダーの香りがした。




あなたと一緒に




「で、なんでのだめは先輩と一緒にお風呂に入ってるんデスか!?」
バスタブの反対側でくつろぐ彼に、のだめは背を向けながらわめく。
対する千秋は、してやったりといった顔で彼女の背中にちまちまと湯をかけた。
「なに照れてんだよ。お互いの裸なんて今さら…」
「むきゃー!なに言ってるんでスか!」
つい振り返ってしまい、慌てて視線を逸らすのだめの耳は赤く染まっていた。


事の発端は、のだめが風呂を嫌がるので千秋が無理矢理入れたのが始まりだが、それでも一緒に入ると言うのは初めての経験で。
そういうことに免疫がないのだめは彼を直視できなくて、浴槽の隅で縮こまっているのだった。


頑なに振り向こうとしないのだめに、千秋は泡の湯で波を作って送る。
「いい加減あきらめろよ。お前泡風呂好きだろ?」
そう言って、後ろ向きのままののだめを引き寄せる。
「な、なんで知ってるんですか!?」
それでも抵抗しようとするのだめを、千秋は力ずくで抱きしめて身動きが取れないようにした。
「昨日、お前の親御さんから風呂セットと手紙が届いたんだよ」
「……」
のだめには、その手紙の内容が一字一句想像できるようであった。

『千秋君へ
 これでお風呂嫌いの恵をお風呂に入れてあげてね。
 P.S.恵は泡風呂が好きなのよ。頑張ってねv』

いろんな意味を込めて、のだめは「さすがヨーコ…」と呟いた。


のだめが抵抗しなくなったのを見計らって、千秋はのだめの動きを妨げていた腕を外して、彼女の髪をシャンプーし始めた。
「…えっちな事はしないで下さいね?」
のだめは念を押すように言いながら、シャワーホースを手繰り寄せる。
「努力はするけど?」
そう言って、千秋は笑う。
その笑い声につられて、のだめもリラックスして鼻歌を歌い始めた。

そうしているうちにシャンプーも終わり、泡を流そうとして千秋は蛇口をひねった。
シャワーホースをのだめが持っていることにも気付かずに。

「ぎゃぼ…!」
「…………おい」

蛇口を閉めたときには、すでに遅く。
のだめがシャワーヘッドではなくホースを持っていたので、放水される方向が定まるはずもなく、乱射という悲惨な状態を生んでしまったのだった。
湯を真正面からかぶった千秋は、形の良い眉をしかめて、のだめの顔を両手で挟んで無理矢理振り向かせる。
「…そういうことするわけ」
怒鳴るかと思ったのに意外と落ち着いた千秋の不審な反応に、のだめは嫌な予感を感じ取ったが、行動を起こそうとする前に千秋が動いた。
のだめの顔に携えた手を徐々に下へ這わしていく。撫でるように、押しつけるように。
首筋、肩、鎖骨、そして胸まで降りてきた。
「あ……っ」
無意識に出た声に、のだめは慌てて口を押さえるが、千秋の手はとまる様子を見せない。
「ず…ずるいデス…」
そう言いながらも、のだめは脳に直接伝わってくる快感の波に溺れて、抵抗することも出来なかった。
そのまま事が進むかと思われた、が。


「ま、待って下サイ!先輩、動かないで!」
のだめが突然千秋の手を掴んで、叫んだ。
何事かと思って、千秋も動きを止める。
ぽつん、ぽつんと先程飛び散った水が天井から落ちてくる音だけが響いた。

「ほら千秋先輩、水滴のメロディーです」

その言葉で、千秋はようやくのだめの行動の意図が分かった。
水滴が湯船に落ちて聞こえる音は、確かにメロディーに聞こえなくもない。
ぽつん、ぽつんと不規則に鳴る水滴のメロディー。


のだめが口笛を吹き始めた。
『いい湯だな』という渋い選曲に苦笑しながらも、千秋は目をつぶって聞き入る。
口笛はバスルーム中をこだまし、水滴の落ちる音とハーモニーを奏で続けた。





その後、のぼせあがったのだめがどうなったかは、千秋の理性のみぞ知る。



--------------------------------
新年明けて最初のSSがこのなので本当、申し訳ないです。
でもこれが私の本性なんで、勘弁してください(笑
[PR]
by touch_me_not | 2005-01-05 03:56 | のだめSS

ネタバレ注意。妄想注意。爆走注意。危険物取締法違反SS。

突然の出来事に、頭の中が真っ白になって。
只々呆然とするしか出来なかった。

それでも確かに力強い腕の締め付けは感じ、
自分のものとは違う少し熱い体温は伝わってきた。

昨年の、自分の実家近くの河川敷のことをぼんやりと思い出す。
あの時と同じ。
いや、違う。
うっかり、なんていい訳はできないほど
強く、強く抱きしめられているのだから。





Lesson66妄想バージョン~ゴール後、空白時間の推測~





周囲にいる関係者の人達から口笛やヤジが飛んでくると、千秋はのだめを解放し、何事もなかったように楽屋へ戻っていった。
「キミ、チアキの彼女?」
近くにいた中年の男性が、のだめに興味津々で聞いてくる。
「…いえ」
それに対して、のだめはぼんやりと答える。妻デス、などと言う余裕は心身ともになかった。


なんだったのだろう。
頭の中でその言葉がぐるんぐるんと回っている。
答えの出ない問いに混乱して、いったん気持ちを落ち着けようと元来た道を辿ろうとした。

――こんままでよかと?

その時、わずかに残っている、冷静な自分が語りかけてきた。
指摘どおり、このままだとまたいつも通りなかった事になってしまうのは火を見るより明らかだった。

のだめは1回深呼吸をして、心を決めた。
不安は尽きないけれど、チャンスを逃すなんてことは出来なかった。

のだめは楽屋へ駆けた。



コンコン

「のだめデス」
なるべくいつものように声をかけてみる。
「…どーぞ」
少しの沈黙をおいて許可が返ってきたので、ドアを少し開け、その隙間から身を滑り込ませてまた閉めた。

千秋は喉もとを緩めながらミネラルウォーターを飲んでいた。背を向けているので、その表情はわからない。
その様子を見ながら、のだめは意を決して口を開いた。

「…先輩、さっきのはどういう意味デスか?」
相変わらずの直球に、千秋はミネラルウォーターでむせかけ、慌ててタオルを口に当てて咳き込む。
少し経って落ち着くと、顔だけをのだめの方へ向けた。呆れたような顔をする。
そのまま何も言わずにペットボトルを机に置き、部屋の隅に歩き始める。
「ちょっ…、先輩!」
慌ててのだめは付いていく。
せっかくの決心、ここで諦める訳にはいかないと心に決めて。


「俺はな…、今までまともな人生歩いてきたんだよ」
ふと千秋が話し始めた。
のだめは彼の意図がわからず、とりあえずはその話に耳を傾けるのに努める。
「真面目に音楽やってきたし、普通に暮らしてきたし、変態女に付きまとわれる事はなかったし」
そこで少し言を置く。
「付き合った女も、まともなのばかりだったかな」
千秋がのだめの方に振り返る。
「…なのに、どうしてこんなヤツなんだろうな。俺の人生めちゃくちゃにしやがって」

いつものような呆れた声色ではなく、その瞳はしっかりとのだめを捕えていて。
それきり千秋は口を閉じてしまった。


のだめはそのまま彼を見つめていると、ふと彼の様子の変化に、そして言葉の意味に気付いてしまった。
ふいに頬に朱を散らせて。
「…それ、のだめの事が好きだって言ってるみたいに聞こえますよ」
目を逸らして、そう呟く。
思わぬのだめのうぶな反応に、千秋もぶっきらぼうにそっぽを向いた。
「そう聞こえるんなら、そうなんじゃない?」
その返答に、沈黙が訪れる。



ゆっくりと、のだめが口を開いた。
「…パ、パリにもエイプリルフールってあるんですか?」
その台詞に千秋は脱力した。思わず苦笑する。

「そんなに信用ならないなら…」
そして、のだめの方に歩み寄りながら千秋は意地の悪い笑みを浮かべた。
その様子を見て、無意識にのだめは後ずさるが、すぐにソファーに阻まれる。
すぐに千秋はのだめの背にあるそのソファーの背もたれと腕置きに手を回し、のだめを囲った。
「証明してやろうか」
そう言った千秋の顔は、吐息がかかるほど目の前にあって。
どうやって、と聞こうとした言葉ごと彼の唇に捕えられてしまった。

優しく、触れるだけのキス。

いったん離れて、一瞬にしてパニくってしまったのだめは、背中を反らせて肩を押し返してなんとか千秋から逃げようとする。
「ちょ…、せ、先輩!?な、何を…!」
「何をって…。もう1回、なんだろ?」
そう言ってのだめの両手を掴んだ千秋の意地悪な微笑みは、さきほどいた舞台の上の期待の新人指揮者を微塵にも想像させなくて。
何故だか懐かしさを感じるその笑顔に、頬が緩むのを抑える事が出来なかった。
うっかり噴き出してしまったのだめは、千秋に頬をつねられ、そのままもう1度近づいてくる彼の顔に、今度は素直に目を閉じた。

再び唇が触れ合う。
さっきよりも長く、深く。


探るようなものから徐々に熱くなっていく彼の口づけに、のだめの身体はどんどん火照らされてゆく。
全身に力が入らなくなり、遂にソファー伝いにずり落ちていってしまうのだめに合わせて、唇を合わせたままの千秋も体勢を低くしていき、膝をついた。
しかしのだめが床に座り込んだ後も、千秋の体勢は落ちてゆく。

熱い唇が、細い首筋を這って。
左の鎖骨に優しいキスが降ってきた。

のだめは最初その行動に戸惑いを覚えたが、やがてぼんやりとした感覚に頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなった。



記憶が無くなる前、ノックの音を聞いた気がした。

-------------------------
ぎゃあ。
例の空白の移動時間の妄想SSです。
有り得な、い、よ。
妙に長ったらしいし、中途半端だし、いつも以上に文章変だし。
しかも冷静なのだめはなんで大川弁なんだろう…私。

このSSはアップしようかかなり悩んだんですが、他サイト様で似たような(lesson66妄想)SSを載せてる所も何箇所かあったので、いいかなーと(適当人間
書き直す気力はなかったです。ていうか、読み返す勇気がありません。ぶるぶる。

今年最後のチアノダSSでした。
皆様、本当にお疲れ様でした(自爆
[PR]
by touch_me_not | 2004-12-29 05:23 | のだめSS

バカップルSS。馬鹿じゃんこいつら(爆)!

ベッドから抜け出てカーテンを開けたのだめが、ふおお…と感嘆の声をもらす。
「先輩、先輩!見てください、雪デス!」
こちらを振り返って、目を輝かせるのだめを見た千秋は自然と微笑みがこぼれるが、睡魔には勝てず、すぐに2度寝の体勢を取る。

その態度が気に食わなかったのか、のだめは千秋の元に寄ってきて、彼の両肩を大きく揺さぶった。
「千秋せんぱーい、起きてくださーい。先輩は今からのだめと雪合戦するんですよー?」
決定事項かよ…、と千秋はうんざりと呟くが、当然そんなものはのだめの耳には届かない。
先輩先輩とのだめは連呼するが、千秋はまたそのまま眠りに落ちてしまった。
ぶう、と頬をふっくらませた後、のだめは何かを思いついて意地の悪い笑みを浮かべる。

のだめは千秋の頬に手を添え、そして愛しの彼に
口づけを、した。

ぎょっとして千秋は目を開ける。
のだめはしてやったりといった顔でにんまりと笑う。
「先輩、おはようございマース」
千秋は積極的なのだめに弱い。最近分かってきたのだめの悪知恵に、すっかり眠気が覚めてしまった千秋は1枚取られたと苦笑をした。





冬はバカップルを更に馬鹿にする。





ブランチを食べた後、二人は外に出て空を仰いだ。
降り続く雪は止めどなく、わずかに積もった薄雪には既にいくつもの足跡が残っている。
「これじゃ雪合戦は出来マセンねー」
「本気だったのか…」
のだめは小道の端に残っている、まだ綺麗な雪を集めて何かを作り始めた。
手持ち無沙汰な千秋は、ポケットに手を突っ込んで空を眺め続ける。


冬の街は人の気配が少ない。まるで、しんしんと降り積もる雪の音まで聞こえてきそうなほど。


「先輩、見てください!」
じゃーん、と彼女が指し示す方向にあった物を見て、千秋は脱力した。
「のだめの力作雪像!題してプリリンとゴロ太ー!」
先程から、やけに熱心に雪いじりをしているなとは思っていたが、こんな物を作っているとは思いもしなかった。
しかもプロ並みの出来。
ピアノ以外は基本的に不器用な彼女だが、実は意外な所で意外な才能を発揮する。

――それにしたって、こんなところで発揮しなくてもいいじゃないか。
千秋は呆れるしかなかった。


のだめの頭を軽くこづくと、千秋は「帰るぞ」と家の方へと歩き出した。
後ろから、のだめが慌ててついてくる。
千秋がちらりと振り返ると、のだめが自分の真っ赤な手に息を吹きかけているのが見えた。

素手で雪なんか触るから…。

千秋は立ち止まって、のだめが隣に追いついてくるのを待った。
小走りで追いついたのだめは、歩き出さない千秋を怪訝に見上げる。
「馬鹿」
千秋はそう言いながら、のだめの両の手をそれぞれ握る。
左手は指をかたく絡ませて、右手はそのまま口元へと運ぶ。

そして緩やかなキス。

「むきゃ!せ、先輩、くすぐったいデスよー!」
「お前が手を冷やすから悪いんだよ。ピアニストだろ?」

そのまま唇を這わせると、のだめの噛み殺した笑い声が聞こえ出した。
最初は抑えられていた笑い声が、徐々に大きくなってゆく。
さすがに近所迷惑だろうと思った千秋は、右手も握り締め、彼女の口をふさいだ。
もちろん自分のそれで。



お互いの唇が離れた瞬間、のだめが突然目を逸らした。
「…先輩、人が見てますよ?」



「……帰るぞ」




降り続く雪は止めどなく、わずかに積もった薄雪は二人の足跡を新たに刻んで、
彼らは帰途を急ぐ。

----------------------------------
最後、オチをつけてしまうのは私がお笑い体質だからでしょうか?
それで満足してるのは手遅れです、か?
いいんです。それが私!開き直り万歳!
[PR]
by touch_me_not | 2004-12-20 03:53 | のだめSS

藤岡柚紀さんから頂いた、愛のこもった(誤解)素敵SS。


『まだ、歩けるだろう?』


窓の外にはパリの夜。家々の明かりが綺麗に耀く。
そんな風景を眺めつつ、千秋は小さくひとつ、溜息をつく。


ずっとこの場所へ帰って来ることを望んでいたのに。


今更考えてみれば呆れてしまうのだが。今まで、俺は正しいと思っていた。
アイツのピアノに焦がれているのは本当だ。
でも、それだけじゃないだろう?
本当はわかってたんだ。ずっと前から。

いつのまにか思い込んでいたんだ。
ずっと、アイツは俺の横で一緒に歩いていくんだと。
一緒に音楽を見つけにいくんだと。
そのために欧州につれてきた。
でもそれは、俺の傲慢じゃなかったのか?



「先輩だけが好きだって仕方ないんですよ!」

のだめの言葉が突き刺さる。そうだ、そうだったんだ。
俺と会うまで、アイツは楽しくピアノを弾いていたんだ。
あんな音を聴いたのは初めてだ。
だってアイツは、
アイツはあんなピアノを弾いていなかった。
焦りを含んで、苦しそうで、辛そうで、追い詰められた、音。


俺はなにをしてやれば良かった?


そうだ、俺はアイツのピアノが好きなんだ。他の誰の音よりも。
でも俺の傍にいることで、アイツは辛い思いをしていたのかも知れない。
音楽の辛さを教えたのは他でもない、俺だ。

ただ、これだけは言える。
音楽はただ音を楽しむだけじゃいけない。
音を楽しむために、たくさんの厳しさを乗り越えなければならないんだ。


今でも鮮明に思い出せる。あの、ピアノコンクールの時。
俺の後を必死で追いかけようとしてくれた姿。
そして、もし今でも俺を追いかけてくれるのなら。
道しるべになれるのなら。
俺の音を聞いて欲しいんだ。俺の気持ちを、音楽を。
言葉にしないと伝わらないこともある。
だけど、
言葉では伝わらないことだってあるから。


なあ、お前はもっと強いヤツだろう?
立ちはだかる壁に怯むようなヤツじゃないだろう?
お前なら、どんな距離だってすぐに追いついて来れるはずだ。
早く。早く俺の気持ちを伝えたいんだ。

まだ、歩けるだろう?



千秋は顔を上げると立ちあがり、譜面を手に取った。

-----------------------------------
きゃー!!千秋、素敵!
メルアドを教えた際、柚紀さんに送っていただいたシロモノです。
Lesson65、千秋目線、柚紀さん希望エピソードだそうですが、
私も激しく希望します!
のだめが…と言うより、千秋が、あのヘタレ状態(死…)からこんな風に素敵に立ち直ってほしいです。
ていうか、そうだったと脳内で勝手に変換しておきます(えー)。
本当に柚紀さん、どうもありがとうございました!


実は私もお返し送ったんですよね…。ややエロチアノダ…。
大勢の目には触れないからと思い込んで、勢い余って書いちゃったんですが、柚紀さんのサイトに載せてくれるそうで…。ぐすん(嬉し涙)。
もちっと健全に書けばよかった…。
…でも、今更だよね(笑)!

[PR]
by touch_me_not | 2004-12-19 03:14 | のだめSS

千秋、自覚後?SS。

千秋は、ベッドの隣でもぞもぞと動く気配と掛け布団の隙間から入ってくる冷たい空気に目が覚めた。
何だ…、と思いながら隣の物体を確認する。
そこにあったのは、見慣れた栗色の頭。のだめだ。

…のだめ?

その瞬間、意識がハッキリと覚醒した。
「お前、何やってんだよ!」
がばっとベッドから起き上がった千秋は、そのままのだめが包まっている布団を引き剥がす。
「ぎゃぼー!」という奇声と共に布団にしがみついて離れないのだめをベッドから落とし、威圧たっぷりに見下ろした。
瞬間、目を逸らしたのだめは掛け布団を持ったまま後ずさる。そしてそのまま玄関に向かって走り出した。
それを見て青くなった千秋は、急いでのだめの首根っこを捕まえようとしながら叫んだ。
「こらー!何考えてんだ!!」





そして、彼はsunflower





「だってー、のだめのお布団は薄いし…、暖房器具もないし…」
「だからって言って、勝手に人の家に入って布団盗んでいい理由にはならないんだよ!」
朝から叫びつかれた千秋は、のだめの言い訳を聞いてまた怒鳴った。
のだめの罪状、不法侵入と窃盗未遂。朝から千秋を頭痛に襲わせるには十分な出来事だった。

しかし、確かに今朝は一段と寒い。のだめも大量に厚着をしているのだが、それでも寒さに震えていた。
それを見た千秋は、少し考えを改めた。とりあえず、あの言い訳は事実のようである。
そして部屋の片隅から、あるものを持ってきた。


「ほら、これでも使ってろ」
それを見たのだめは落胆して、生気の抜けたような顔をした。
「先輩…扇風機なんかつけたら、のだめ凍死しちゃいマスよ…」
その台詞に千秋は笑う。
「なんで扇風機なんだよ。ハロゲンヒーターだよ」
「ハロゲンヒーター」
のだめはその名称を、記憶を探るように呟く。
確か、見た目はそっくりだが、役割は正反対な暖房器具。
スイッチを入れてのだめが目の前に待機していると、期待通りじんわり体の芯から温まってくるのを感じた。

「ふおー。暖かい…。おひさまの暖かさデス…」
ハロゲンヒーターに手をかざして至福そうな表情をしているのだめを見て千秋は、子供みたいだなと思う。


――子供みたいなのに、太陽みたいにのだめも温かいんだよ。


らしくない事を考えていると思い、千秋は自嘲した。
でも事実、音楽の厳しい世界からこの家に帰ってきたときいつも落ち着くのは彼女のおかげだという事に最近気付いてしまった。
この気持ちが何なのか、今では簡単にわかる。


「ハロゲンって、ハゲロンって言っちゃいそうじゃありマセン?」
だいぶ寒さもおさまったのか、のだめは唐突にそんな事を聞いてきた。
そんな間の抜けた彼女に自然と頬が緩んできた千秋は、無性に悔しくなり、わざと無表情を装って、それでも微笑んでしまう顔がのだめに見られないように背を向けてキッチンへと向かう。
「くだらないこと言ってると飯抜くぞ」
「ぎゃぼ!のだめを殺す気ですか!?」



太陽のような彼女はいつも不可解で。
彼女のそんなところにまで惹かれている自分はもっと不可解で。
この気持ちを理解しても、まだ打ち明けないと心に決めている自分はさらに不可解だ。



でももし地球が滅亡するのなら、そのときは彼女と一緒にピアノを弾いていたいと、


心から、そう思う。



------------------------------
千秋、別人…!
なんかテンパってて地球滅亡とか書いてますが、何か(爆
ハロゲン、ハゲロンって言っちゃいそう…ですよね?

…逃亡します。
[PR]
by touch_me_not | 2004-12-17 03:05 | のだめSS

宮崎楓(みやざきかえで)による、のだめカンタービレを主に駄文を書き連ねる日記サイト。SSも書きます。コメント大歓迎!
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリ
以前の記事
+リンク+

のだめ千秋後援会

mano sinistra
たつとり
lovers concert
the Mirage in the Twilight
チアノダラバー未成年連合

smell days
ORANGE GATE


ぱるらんて♪
Musica piu piacevole!
Dotted♪note.

「響想曲」はリンクフリーです!報告下さいましたら、小躍りしながら遊びに行かせてもらいます(迷惑)!
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧