響想曲



2005年 05月 05日 ( 1 )


市川シヲリさんからのリクエスト。

恒例、食後のリラックスタイム。
二人でソファでゆったりしながら、他愛の無いお喋りをしたり、いちゃついたり、たまに発情したり。



千秋、苦悩の一日



「それでですねー!フランクは、実はプリリンはカズオより悪どいキャラって言うんデス!でものだめは…」
勢い込んで話すのだめの次の言葉は、短い息と共に飲み込まれた。
触れ合う唇と唇が以下略。
「…少しは黙れよ」
「…先輩が黙らせてくれるんでしょ?」
そう言ったのだめは、上目遣いで挑戦的な視線を投げかける。意地の悪い微笑みと共に。
抱きしめて、もう1度キスを交わそうとした、が。
trrrr...
二人の動きが止まる。
鳴っているのは千秋の携帯。鳴り止む気配は見せない。
「先輩、電話」
そう言って、のだめはじと目で千秋に電話を受けるよう促す。
千秋は小さくため息をつき、携帯を手に取った。
終話ボタンを押しかけた手が、ディスプレイに表示された名前を見て、咄嗟に止まる。
苦虫を噛み潰したような顔のまま携帯を耳に当てた。
「……もしもし」
のだめは電話の向こうの相手には興味を示さず、千秋の隣でソファにもたれかかる。
「おかげさまで」
心なしか、声にうんざりした様子が感じ取れる。
目を瞑り、足を組みなおした。
「…いえ、一人ですけど」
そう言って彼はのだめから距離を取る。その態度に不満が重なったのだめは、スネてソファを立ってしまったが、あとで埋め合わせすれば良いかと千秋は自己解決し、話に戻る。
「はあ?」
「一体何なんですか」
「今パリに…?え…」



玄関のベルが鳴る。
携帯での話に集中しすぎていた千秋は、半無意識に顎でのだめを玄関へ出るように促した。
「…って、えっ、ちょっ…待てのだめ…!」
怪訝な顔で振り向いたのだめは既にドアの鍵を開けた後で。
外側からドアが開いた。
「やあ」
そこにいたのは松田幸久、無論本人である。
「松田さん…」
「お邪魔するよ」
状況がうまく理解できていない千秋の脇を通って遠慮なくリビングへあがる。
「初めまして。君は?」
「あ…初めまして。千秋先輩の」
「ただの隣人です」
のだめが頬を膨らませて非難の視線を千秋に浴びせる。
しかし、千秋は今それどころではない。
「今、一人でいるんじゃなかったの?」
「わざわざあなたに本当のことを答える義務はありませんから」
「へえ…。あ、白ワインある?」
松田は我が物顔でソファに座った。
図々しいなんて言葉は、松田のためにあるのだなと千秋は思う。
しかし千秋は要求通り白ワインとワイングラス3個を持ってリビングに戻る。
ひとつはにっこりと意地の悪そうな笑顔を貼り付けた松田に。
ひとつは千秋にことごとくひどくあしらわれて超不機嫌なのだめに。
ひとつはこの展開自体に頭を抱える自分自身に。

のだめは千秋とは反対側に――つまり松田の隣に座った。
基本的に女性に優しい松田は、馴れ馴れしくも礼儀正しい姿勢でのだめとの会話を弾ませている。
もちろん、千秋とも近況報告や音楽について話してはいるものの、千秋の意識はそれどころではなかった。
松田とのだめとの距離がどんどん近づいていってる事とか、たまに触れる手と手とか。
その一つ一つが千秋の神経を逆撫でする。
今になって初めて千秋は、のだめを軽くあしらった事を後悔した。
そんな千秋の気持ちを知ってか知らずか、松田はさらにスキンシップを図ろうとする。
のだめの肩を抱いたり手を握ったり、酔っ払いとしか思えない行動だったが、事実松田は、そしてのだめも酔っ払いだったのであまり不自然に思っていないようだった。
「手、大きいね。もしかしてピアノやってる?」
そう言って松田はのだめの手と自分のそれとを合わせる。
「あ、ハイ。小さい頃からピアノやってマス」
そのまま指を絡ませ、松田は自分よりかは一回り小さい手の甲に唇を落とす。
――限界だ
その瞬間、千秋は立ち上がりのだめの腕をぐいと引っ張り寄せる。
「俺の彼女にベタベタと触らないで下さい」
のだめの顔が驚きと、そしてそれ以上の何かで紅潮する。
松田が片眉を上げる。
「ただの隣人じゃなかったのかい?」
「わざわざあなたに本当のことを答える義務はありませんから」
故意に最初と全く同じ台詞を一字一句違わずにはっきりと丁寧に繰り返す。
「……。千秋くん、性格悪くなったね」
「おかげさまで」


「じゃあまた来るよ。と言っても、休暇利用して遊びに来てるだけだから、あまり長くはいないけどね」
長時間にわたる飲み会も終わり、千秋とのだめは玄関に災いの元を見送りに来ていた。
もう来るな、とあからさまに顔に出した千秋は、それでも口では「ええ、またいつでも来て下さい」などと言っている。
「のだめちゃんにも、今度はピアノ聞かせて欲しいしね」
「ハイ!約束ですよ」
そう言ってのだめは笑うが、松田のその言葉に千秋は何かが腑に落ちずにいた。
――…「のだめちゃん」…?
そこで合点がいった。
ひとつ、溜め息をつく。
「俺、こいつの名前紹介してませんよね?」
疑問というよりは、確信を持って千秋は問いかけるように言う。
「…そうだったっけ?」
松田はポーカーフェイスを崩さず、しかしわざとらしく、すっとぼけた。
「誰から聞いたんです?」
「峰くん」
峰から口止めされていたにもかかわらず、あっさり答えた松田は相変わらず涼しそうな顔をしていた。



Trrrr...
「龍…携帯鳴ってる…!」
「ん…何だよこんな時間に…。お、千秋だ。珍しいなオイ」
一番哀れなのは、松田を信じてしまったお陰で千秋の恨みを買った峰なのかもしれない。

-------------------------------------------------------
以前、菜種さんにリクエストを頂いたとき、類友一号の市川シヲリさんからラブコールを受けてたんで、無責任に承っていたブツです。本当、やっとできました。スンマセ…
リクエストは「松田様」。(だったよね…!?
しかも、もう構成も山場もオチも何もなしに書き連ねた駄文ですから申し訳ないです申し訳ないです申し訳ないです。
も、もう限界です。死…。宿題します。いや、寝ます(ホホエミ
[PR]
by touch_me_not | 2005-05-05 23:31 | のだめSS

宮崎楓(みやざきかえで)による、のだめカンタービレを主に駄文を書き連ねる日記サイト。SSも書きます。コメント大歓迎!
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリ
以前の記事
+リンク+

のだめ千秋後援会

mano sinistra
たつとり
lovers concert
the Mirage in the Twilight
チアノダラバー未成年連合

smell days
ORANGE GATE


ぱるらんて♪
Musica piu piacevole!
Dotted♪note.

「響想曲」はリンクフリーです!報告下さいましたら、小躍りしながら遊びに行かせてもらいます(迷惑)!
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧