響想曲



千秋、自覚後?SS。

千秋は、ベッドの隣でもぞもぞと動く気配と掛け布団の隙間から入ってくる冷たい空気に目が覚めた。
何だ…、と思いながら隣の物体を確認する。
そこにあったのは、見慣れた栗色の頭。のだめだ。

…のだめ?

その瞬間、意識がハッキリと覚醒した。
「お前、何やってんだよ!」
がばっとベッドから起き上がった千秋は、そのままのだめが包まっている布団を引き剥がす。
「ぎゃぼー!」という奇声と共に布団にしがみついて離れないのだめをベッドから落とし、威圧たっぷりに見下ろした。
瞬間、目を逸らしたのだめは掛け布団を持ったまま後ずさる。そしてそのまま玄関に向かって走り出した。
それを見て青くなった千秋は、急いでのだめの首根っこを捕まえようとしながら叫んだ。
「こらー!何考えてんだ!!」





そして、彼はsunflower





「だってー、のだめのお布団は薄いし…、暖房器具もないし…」
「だからって言って、勝手に人の家に入って布団盗んでいい理由にはならないんだよ!」
朝から叫びつかれた千秋は、のだめの言い訳を聞いてまた怒鳴った。
のだめの罪状、不法侵入と窃盗未遂。朝から千秋を頭痛に襲わせるには十分な出来事だった。

しかし、確かに今朝は一段と寒い。のだめも大量に厚着をしているのだが、それでも寒さに震えていた。
それを見た千秋は、少し考えを改めた。とりあえず、あの言い訳は事実のようである。
そして部屋の片隅から、あるものを持ってきた。


「ほら、これでも使ってろ」
それを見たのだめは落胆して、生気の抜けたような顔をした。
「先輩…扇風機なんかつけたら、のだめ凍死しちゃいマスよ…」
その台詞に千秋は笑う。
「なんで扇風機なんだよ。ハロゲンヒーターだよ」
「ハロゲンヒーター」
のだめはその名称を、記憶を探るように呟く。
確か、見た目はそっくりだが、役割は正反対な暖房器具。
スイッチを入れてのだめが目の前に待機していると、期待通りじんわり体の芯から温まってくるのを感じた。

「ふおー。暖かい…。おひさまの暖かさデス…」
ハロゲンヒーターに手をかざして至福そうな表情をしているのだめを見て千秋は、子供みたいだなと思う。


――子供みたいなのに、太陽みたいにのだめも温かいんだよ。


らしくない事を考えていると思い、千秋は自嘲した。
でも事実、音楽の厳しい世界からこの家に帰ってきたときいつも落ち着くのは彼女のおかげだという事に最近気付いてしまった。
この気持ちが何なのか、今では簡単にわかる。


「ハロゲンって、ハゲロンって言っちゃいそうじゃありマセン?」
だいぶ寒さもおさまったのか、のだめは唐突にそんな事を聞いてきた。
そんな間の抜けた彼女に自然と頬が緩んできた千秋は、無性に悔しくなり、わざと無表情を装って、それでも微笑んでしまう顔がのだめに見られないように背を向けてキッチンへと向かう。
「くだらないこと言ってると飯抜くぞ」
「ぎゃぼ!のだめを殺す気ですか!?」



太陽のような彼女はいつも不可解で。
彼女のそんなところにまで惹かれている自分はもっと不可解で。
この気持ちを理解しても、まだ打ち明けないと心に決めている自分はさらに不可解だ。



でももし地球が滅亡するのなら、そのときは彼女と一緒にピアノを弾いていたいと、


心から、そう思う。



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千秋、別人…!
なんかテンパってて地球滅亡とか書いてますが、何か(爆
ハロゲン、ハゲロンって言っちゃいそう…ですよね?

…逃亡します。
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by touch_me_not | 2004-12-17 03:05 | のだめSS
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宮崎楓(みやざきかえで)による、のだめカンタービレを主に駄文を書き連ねる日記サイト。SSも書きます。コメント大歓迎!
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