響想曲



リクSS。鏡よ鏡ぃー。

鏡よ鏡、世界で一番美しい者は誰?

そんな風に鏡は、昔からものごとの真実の姿を映すとされてきたと言う。




ミラーラビリンス




彼が目覚めると、そこはまだ漆黒の闇の中で。
しかし隣で安らかに眠っていたはずの彼女が見つからない。
千秋は、部屋の冷たい空気に身を震わせ、ズボンを穿きシャツを羽織って寝室を出た。

煌々とした光が、暗闇に慣れた目に眩しく入ってきた。
ちょきちょきと、軽快な音だけが聞こえてくる。
のだめは、洗面所の鏡の前で、慣れた手つきでその髪を切り落としていた。足元にはゴミ袋を敷いて。
「何してんの?」
一目見ればのだめの行動はわかるだろうが、それでも声を掛けるために千秋はその分かりきった科白を用いた。
のだめが手を休めて振り向く。
「髪が伸びてきたんで。
のだめお金ないんですよー。それに、昔から洋子に髪くらい自分で切れって言われてたし」
のだめは千秋の言葉を理由を尋ねたと解釈して、口を尖らせながらそう言う。
千秋はただ、ふうん、とだけ返した。
のだめがまた手を動かし始める。
意外に器用なその手先は、彼女の髪を少しずつ、されど大胆に減らしてゆく。
「あ」
その手が後ろ側にまわった途端、動きが止まった。
切りすぎてしまったらしい。
千秋がのだめからはさみを取り上げた。
「貸せ。俺が切ってやる」
そう言って、くしで彼女の髪を梳きながら、丁寧に切り始める。
「先輩、何でも器用ですよねー」
感心したようなのだめの声と共に、千秋は鏡越しに彼女の視線を感じた。
ちょきちょきと、軽快な音だけが鳴り響く。

「こんなもんだろ」
「ふおー。やっぱり先輩、上手デスねぇ。ありがとうございました」
のだめがあちこちと向きを変えながら自分の髪をチェックする。
そして一通り確認し終わると、自分の身体に付いた切りくずを払い始めた。
「先輩、背中はたいてくれませんか?」
のだめが背中を反らせて覗き込む。
千秋がのだめの肌を軽くはたくと、細かく切られた髪がぱらぱらと落ちてゆく。
だいたい綺麗になったあと、千秋はのだめを触る手の動きを明らかに別の意図のものに変えた。
つつつ、と下着を指でなぞり、場所に至ると片手でその締め付けから開放させる。
逆の手は、優しくゆっくりと、首筋から肩甲骨に下り、脇の下を通り前へと移動する。
ちょうど後ろから抱きしめられたような形になったのだめは、首筋に降ってきた彼のキスから逃げるように身体を捻った。
「や…」
「ん?」
いつもと違う反応に、千秋はいったん動きを止める。顔を近づけたまま理由を問う。
「鏡の前って、何だか照れマスよ…。見られてるみたいで…」
のだめが鏡の中の自分から視線を逸らす。
「そ?オレは逆にそそるけど」
そう言って、千秋は軽く笑う。
「…先輩のすけべゑ」
「それはどうも」
満足気な表情を浮かべた千秋は、のだめの軽口を承諾と受け取って、彼女の頬に口付ける。
そして、少し膨れた顔をしながら振り向いたのだめの唇に、自分のそれを重ね合わせた。



鏡よ鏡、美しいものを見せておくれ。

ここにもひとつ、真実の愛。

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菜種さんに、裏SSいつも楽しく読んでますありがとうリクエスト権(訳がわからない)でリクエストしていただき、書いた一品。リク内容は「鏡」です。
あわわ、どうして健全なのが書けないのかがよくわかりません、よ?
実はこの後に、もっとイケないのがあるんですが、それはリク特権で菜種さんのみぞ知る…(ていうか公開できるシロモノじゃない
ども、リクありがとうございましたvv
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by touch_me_not | 2005-02-17 22:40 | のだめSS
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